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皆さんはエントリーする時にどのようにロット数(=取引する通貨数)を計算されているでしょうか?なんとなくで決めていたり、取引可能な最大ロット数でトレードしていないでしょうか?
勝率は悪くないはずなのに何故か最終的には損をしてしまう、そのような人は適正な資金管理、特に適正なロット管理ができていない可能性が高いです。逆に勝率が50%以下でも適正な資金管理、特にロット数がきちんと管理できていれば十分に利益を上げることが可能です。
今回の記事では初心者の方にもわかりやすいようにロットに関する基礎知識と適正ロット計算の方法、ロット管理の際の注意点を解説します。
本記事では、トレード毎に適正なロットを計算する方法を解説します。
なお、短時間で取引を繰り返すスキャルピングではトレード毎に、その都度計算することが難しいので、スキャルピング用の資金管理方法を別記事で解説しています。そちらの記事も合わせてご参照ください。
ナンピンの資金管理を知りたい方は下記の記事を参考にして下さい。
ハイレバの資金管理を知りたい方は下記の記事を参考にして下さい。
ロットに関する基礎知識
具体的なロット計算を説明する前に、ロットに関する基礎知識を説明します。
ロット(Lot)とは
FXのロットとはトレード時に取引する数量を表す単位です。そして、1ロットに対応する通貨数は業者によって異なるので注意が必要です。
上記が主流です。例えばドル円を10万ドル分買う場合の注文ロット数は、
1万通貨業者の場合は10ロット必要で、10万通貨業者は1ロットで十分となります。
わざわざロットに置き換えて取引するのは、「0」を入力する回数を極力減らして、誤発注を予防するためと言われています。なお、レバレッジ取引が可能なFXでは桁を間違えても注文が成立してしまう可能性がありますので、ご利用のFX業者の1ロットが何通貨なのか?をよく確認しましょう。
取引できるロット数は?
取引できるロット数は業者により異なり、最小数は0.01ロット〜 最大数は100〜100ロットの業者が主流です。
取引可能な最大ロット数の計算方法
取引可能なロット数の計算方法は以下の通りとなります。
なお、もちろん何も考えずに最大ロット数で取引するのは厳禁です。
例えば、レバレッジが100倍で1ロット10万通貨のFX業者を使用しており、100万円の証拠金でドル円が130円でドル円をトレードする場合の最大ロット
証拠金(100万円)÷為替レート(130円)×レバレッジ(100倍)÷10万通貨
=7.6923…ロット(Lots)
つまり、上記の条件でトレードする場合は最大7.69ロット(Lots)発注できることになります。
EURUSDやその他、円以外の通貨でも為替が異なるだけで考え方は同じです。
EURUSDを買う場合、ユーロを売ってドルを買いに行くので証拠金が円の場合、まずは円をユーロに換算した証拠金を算出し、その後は為替レートをEURUSDのレートにして上記と同じ式に当てはめるだけで計算できます。
分かりにくいと思うので簡単な例を出します。
例えば、ユーロ円が140円、ユーロドルのレートが1.07692の時、100万円の証拠金で、レバレッジ100倍、1ロット10万通貨のFX業者を使用してEURUSDを買う場合
証拠金が7142.8EUR(100万円をユーロに換算)÷為替レート(1.07692)×レバレッジ(100倍)÷10万通貨
=6.6326…ロット(Lots)
となります。証拠金が円で円以外の通貨を売買する場合は証拠金を円からその通貨に変換してあげると分かりやすいです。
1Pips(10Points)の損益計算方法
1ロットが何通貨なのか理解していただければ次にPipsを理解しなければなりません。
Pipsとは取引通貨の変動幅を指します。1Pipsは10Pointsで、ドル円でいう0.010円になります。
ユーロドルなどの下5桁の通貨だと、0.00010ドルになります。
1Pips当たりの損益の計算式は下記の通りとなります。
例えば10万通貨のFX業者でドル円を1ロット、ポジションを持った時の1Pipsの変動金額は、100,000×0.01 = 1,000円 になります。
また、10万通貨のFX業者でユーロドルを1ロット、ポジションを持った時の1Pipsの変動金額は、
100,000×0.0001 = 10USD(ドル円が130円の時1300円)になります。
基本的に通貨ペアの後半にくる通貨が変動基準の通貨となっていますので、USDJPYの場合はJPYの日本円、EURUSDの場合はUSDのUSドル、EURGBPの場合はGBPのイギリスポンドが変動通貨となります。
適正ロット数の計算方法
それでは適正なロット数を計算する具体的な手順を説明します。例として投資資金を100万円とします。
自動で損切り幅からリスク%を設定し、適正なロット(Lots)で注文を発注できるツールをMT4・MT5にて無料で配布しておりますので下記のページをご確認ください。
①許容損失額を設定する
まず、1度のトレードで許容する損失額を決めます。
通常適切な許容損失額は投資運用資産の2%以内とされています。資金が小さい時には勝負に出たいかもしれませんが、その時でも5%を超えないようにするのがいいでしょう。なお、投資運用資産はあくまで余裕資金で行うようにしてください。
トレードする前から失敗したときのことを考えるとは弱気だと思われるかもしれませんが、損切りを適切に行い、損失を限定することは投資においては利確以上に重要です。適切な損切りができないと、たとえ何十連勝しても1回の大きな損失で資産を失う可能性があるのです(いわゆるコツコツドカン)。
②自分の勝率を知る
ロット数を計算するには、自分の勝率を知る必要があります。勝率が70%の人と、45%の人では必要な利幅や損失幅が異なります。勝率を知るためには、普段から自分のトレードを記録しておくことをおすすめします。
また、複数の手法を使用される方は、手法別の勝率を記録するとより適切な資金管理になります。初心者の方は、まずは勝率45%程度を目標として設定しましょう。
デモトレードを行い、勝率を出すこともおすすめですが、デモトレードはメンタル的なプレッシャーがないので、本番のトレードよりいい結果になりやすいので要注意です。 デモトレードの結果より少し割り引いた勝率を設定しましょう。
なお、FXはレートが上がるか下がるかの2択なので適当にトレードしても勝率は50%に収束しそうですが、スプレッドコスト(売買手数料)が必要なため実際の勝率は50%以下になります。今回の例では45%とします。
③必要なリスクリワードを知る
リスクリワードとは利幅と損失幅の割合のことです。例えば、利幅を30pips、損失幅を-15pipsと設定すると、そのトレードのリスクリワードは2対1ということになります。
利益をあげるために最低限必要なリスクリワード(言い換えれば破産しないために必要なリスクリワード)は許容損失と勝率から導き出すことができます。
下図は有名なバルサラの破産表という、許容損失、勝率、リスクリワードから破産する確率を計算したものです。下図は許容損失2%で計算されています。
ここで言う破産とは、保証金がゼロとなることです。
例えば勝率45%の場合はリスクリワードが1対1以下の場合はいずれ100%破産してしまい、1:1.5以上のリスクリワードが必要なことがわかります。
④エントリーと損切りを決める
ここまで事前準備をして、ようやく具体的なエントリー個所を検討します。エントリー個所は②で設定したリスクリワードが見込める個所以外は見送ります。
例として、想定する利確目標は+30pips、損切りはー15pipsとします。
(トレード例)
⑤取引通貨数を設定する。
最後に取引する通貨数を設定します。
1pipsあたりの変動幅は、以下通りとなります。
上記の通り、1pipsの変動は1通貨あたり0.01円となるので、取引通貨数は許容損失額÷0.01÷許容損失pipsで計算できます。
トレード例の許容損失額は①で計算した通り100万円×2%=2万円なので適正なエントリーロット数は、
2万円 ÷ 0.01円 ÷ 15pips = 約13万3千通貨
となります。
よって、発注するロット数は、以下の通りとなります。
1万通貨業者=13.3ロット
10万通貨業者=1.33ロット
以上、①〜⑤の手順を経て適正ロットを計算します。
トレード経験が浅い方は非常に複雑に感じたかもしれませんが、①〜③は一度決めればしばらくは変更する必要はありません(定期的な見直しは必要です)。
また、④、⑤の計算も慣れれば頭の中でできるようになりますし、便利な計算ツールを用意している業者もあります。
一旦ロット数を計算することで、冷静にチャートと向き合える利点もあります。
チャートを開いた途端にエントリーしてしまうようなトレードは投資ではなく、ギャンブルであることを肝に銘じましょう。
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最後に〜注意点〜
今回の記事ではFXの基本中の基本である、ロット計算について説明しましたが、最後に注意点を述べます。
勝率は高すぎても低すぎても注意!
自分の勝率を知ることが必要と述べましたが、過去のトレードを振り返り、勝率が90%以上、30%以下の場合は要注意です。
勝率が高いのはいいことですが、高すぎるのは一時的に相場状況が良かっただけの可能性が高く、勝率が高いからといってリスクリワードを低くして取引していると、相場状況が悪化した場合に痛い目をみる場合があります。また、リスクリワードが低いと、エントリーも雑になってしまいます。勝率が高すぎる場合でも油断せず、リスクリワードはあまり低くしすぎないようにしましょう。
勝率が低すぎるのも問題があります。その分、リスクリワードをかなり高くしなければいけないので、含み益になってもポジションを長く保有することが求められます。
初心者うちは、ポジションを持っているとチャートが気になって日常生活に支障が出たりするなど、メンタル面に影響がでやすく、気がついたらいつも目標のずっと手前で利確してしまうなどをやってしまいがちです。また、そもそも低すぎる勝率の手法は何かが間違っている可能性が高いです。45%は目指すべきでしょう。
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