メンタル管理の重要性
トレードにおいてメンタル管理と資金管理は手法よりも重要で、ここをまずは完璧な状態にするために、必要な事や、やるべき事を記述していこうと思います。
なぜ手法よりも重要なのかというと、その手法の期待値がどれだけ高くても条件や状況によってその期待値を歪めてしまったり、感情の起伏が原因で期待値が低いところで戦ってしまったりすることによって負けてしまうのです。
相場の世界では、1年で約70%、2年で約85%、3年で約90%が退場していくので、生き抜くのはかなり難しく手法のみならず、メンタル管理と資金管理も重要になります。
そんな退場の多いトレードの世界ですが、稼ぐ可能性を秘めています。国税庁のデータより、年収1億以上の56%が株やFXのトレーダーというのが分かっていて、もっとも効率の良い稼ぎ方とも言えるでしょう。
そこを目指す為にも非常に重要です。

FXや株で負けてしまう心理
FXや株、バイナリーオプションで負けてしまう心理をどういうロジックで負けてしまうのかを科学的に説明します。解決方法は最後に説明しますので、まずは自分が下記の認知バイアスに当てはまっているかどうかをチェックしてみてください。
プロスペクト理論
プロスペクト理論のプロスペクト(prospect)という英単語は、「見込み、展望、期待」という意味で、行動経済学の基礎になる理論であり、人間は与えられた情報から、期待値(事象が発生する確率)に比例してものごとを判断するのではなく、状況や条件によって、その期待値を歪めて判断してしまうというものです。
例えば
- 質問1:あなたの目の前に、以下の二つの選択肢が提示されたものとする。
- 選択肢A:100万円が無条件で手に入る。
- 選択肢B:コインを投げ、表が出たら200万円が手に入るが、裏が出たら何も手に入らない。
- 質問2:あなたは200万円の負債を抱えているものとする。そのとき、同様に以下の二つの選択肢が提示されたものとする。
- 選択肢A:無条件で負債が100万円減額され、負債総額が100万円となる。
- 選択肢B:コインを投げ、表が出たら支払いが全額免除されるが、裏が出たら負債総額は変わらない。
質問1は、どちらの選択肢も手に入る金額の期待値は100万円と同額である。にもかかわらず、一般的には、堅実性の高い「選択肢A」を選ぶ人の方が圧倒的に多いとされています。
質問2も両者の期待値は-100万円と同額である。安易に考えれば、質問1で「選択肢A」を選んだ人ならば、質問2でも堅実的な「選択肢A」を選ぶだろうと推測される。しかし、質問1で「選択肢A」を選んだほぼすべての者が、質問2ではギャンブル性の高い「選択肢B」を選ぶことが実証されています。
この一連の結果が意味することは、人間は目の前に利益があると、利益が手に入らないというリスクの回避を優先し、損失を目の前にすると、損失そのものを回避しようとする傾向(損失回避性)があるということです。
相場の世界で例えると、損失を抱えた時に損切りせずにナンピン(株価が暴落して含み損を抱えている時、下がったら買いを繰り返す行為)やマーチン(負けたら倍額ベッド)を行い、損失を回避しようとして期待値を下げる行為をしてしまうのです。
次のチャンスに備えて損切りする方が合理的です。また、証券会社内部の情報によると、50%以上の取引で利益を出して決済していますが、勝ち取引での利益よりもはるかに高額の損失を負け取引で出していることが明らかになっているので利益をいかに伸ばしていくのか?ということが重要になっています。
アンカリング・ギャンブラーの誤謬
自分が勝手に思い込んでいる数字やある基準をモノサシとして物事を見てしまう心理効果のことです。相場のモノサシはフィボナッチだけで十分です。
質問1:コイントスで表が連続で10回出た時、11回目は表と裏どちらが出る確率が高いと思いますか?
答えは、11回目も同じ確率になります。
相場で例えると、ドル円で上昇トレンドが続いている時、この前までは100円だったから、流石にこの短期間だと10%の上昇の110円が限界だろうと勝手に思い込んでしまい、ドル円を売るが、どんどん上昇していき損失を抱えてしまうが、その損失を回避したいという気持ちが働きナンピンしていくが結局資金が耐え切れず、115円になって全ロスカットを食らってしまうということが起こってしまいもう立ち上がることができなくなりました。ということが起こってしまいます。
コンコルド効果・サンクスコスト

では、なぜ人間は損失が出ると分かっているのにこのような行動をしてしまうのでしょうか?
それはこれまで投じてきた時間やお金やモノを回収しようとする心理が働き、何をしても回収することのできないコストであるサンクスコストを無視することができないことにより、損失が出ると分かっていても投資を継続してしまう心理によるものです。
コンコルド効果という名称は、過去に英仏で共同開発が進められた超音波旅客機コンコルドから来ています。コンコルドは赤字になると見込まれていたにもかかわらず、開発が進められました。しかし、その負債の大きさから開発は中止に追い込まれ、さらに開発会社は倒産したのです。また、商業的にも成功する見込みのないまま、2000年まで運航は継続されました。
相場でいうと、一日中、相場を見ていて取引で損失がでている時に、今日の時間とお金が無駄になってしまったと考えしまい、損切りができずにずるずるとナンピンし最終的に大幅な損失がでてしまったという状況になります。
最近の事例でいうと、東京オリンピックが良い事例です。
自分の性格を知る
人にはそれぞれの性格があるのでまずはそれを知ることがとても重要です。
ウェルスダイナミクスという自分の性格を知り、自分の長所と短所を知りることができるサイトがあり、そこで無料の診断ができるので試してみると良いと思います。もっと正確に知りたい場合は課金することで知ることができます。私も大学の時に課金しました。
8つのプロファイルに関しては下記を参照ください。
サッカー場でバスケットを学ぶことができないというロジャーハミルトンの言葉のように、人間には得意なことと不得意なことがあるので、自らの性格を分析しトレードに活かすのが一番良いと思います。
例えば、プロファイルでいうスターに当たる人の弱みとして、手放すのが苦手というのがありますが、これは心理学でいうコンコルド効果や損失回避が働きやすいので、そこを避けるために強制的にロスカットできるツールを導入したり、ナンピンしないというルールを定めたり、すると良いと思います。また、決断力があるという強みを活かして、チャンスを見つけ、効率的に行動を起こす能力が高いのでそれを活かして、取引に入る時期・出る時期を判断することができます。それに加えて、新しいニュースを取り入れることでより精度が良くなると思います。
認知バイアスを回避する方法
資金管理を行う
まずはリスクを知る
バルサラの破産確率という表で自分がどれだけリスクをとっているかを知り、できるだけ破産確率を0に近づけます。
表の見方として、リスクにさらす資金比率というのは、総資金における損切りのパーセンテージ、損益比率とはリスクリワードになります。例えば、勝率が65%でリスク:リワードが1:1.5の取引だと破産確率が0%ということが分かります。

破産確率を計算したい方はこちらで計算お願いします。

破産確率エクセルのダウンロード→バルサラの破産確率表.xlsm
これら上記の計算を元に最悪の場合を想定し、損切りの幅や利益の幅をどれくらい取らなければならないのかと言うことを知ることが大事です。
自分だけの資金管理表を作る
エクセルでも手書きでもなんでも良いのですが、残高に対してロットをどれくら張って何Pipsで損切りをするのかをあらかじめ決めておき、それを元にトレードを行います。
例えば損失許容2%の表を作成する場合は下記のように作成し、ロットと損切りを可視化します。
残高 | 損切りPoint-30 | 損切りPoint-40 | 損切りPoint-50 | 損切りPoint-60 | 損切りPoint-70 | 損切りPoint-80 |
100,000円 | 0.67 | 0.50 | 0.40 | 0.33 | 0.29 | 0.25 |
150,000円 | 1.00 | 0.75 | 0.6 | 0.50 | 0.43 | 0.38 |
200,000円 | 1.33 | 1.00 | 0.80 | 0.67 | 0.57 | 0.50 |
250,000円 | 1.67 | 1.25 | 1.00 | 0.83 | 0.71 | 0.63 |
300,000円 | 2.00 | 1.50 | 1.20 | 1.00 | 0.86 | 0.75 |
自分だけの資金管理表ができたら
損切りの幅から計算してどれくらいのロットでエントリーすれば良いのかと言うのが可視化されるので、もし仮に軽撃ちで少し打ちたい場合などもロットを減らしたりすることで対応できます。しかし、始めのうちは例外をできるだけ作らない方が良いので一発で決めるようにしてください。
そして、エントリーしたら利確よりも損切りを先に必ず入れてください。できるだけ損切りを動かしたりしないでください。
また、価格が走った場合、建値に置いてできるだけ利益を伸ばすことを意識して放置してください。
メンタル状況を知る
メンタルに関してはどうしうもないので、最終的には資金管理でカバーすることになります。ただ、メンタルの状況を知っているのと知らないのとでは大きな差になるので、大きく分けて4つの感情(恐怖心、欲望と希望、フラストレーション、退屈)について説明します。

恐怖心
取引における恐怖心とは、損失を被ることによって引き起こされる苦悩です。これには、損失を想像することで生まれる苦悩も含まれます。
恐怖心は衝動を抑えるのに役立ちますが、同時に意思決定を鈍らせ、尚早にポジションを決済してしまったり、取引を開始するのを恐れるあまり、チャンスを逃してしまったりすることにもつながります。利益の平均額よりも損失の平均額が大きくなるのは恐怖心が原因です。
なので、恐怖心を感じても自分の取引プランを信じてそれを遂行する必要があります。その為にはデモ口座を使い、戦略に自信をつけるのが良いと思います。
欲望と希望
もっと利益を得たい、ナンピンして損失を少しでも取り戻したい、ここまで下がっているからこれから上がるだろう、といった感情により、重大な損失を出す、あるいは既に獲得済みの利益を消滅させる行動をしてしまいます。
これを防ぐためにリスクリワードを意識することが大切です。2%の資金でリスクが1に対してリワードが2であれば、勝率で40-45%でも破産する確率が限りなく0に近づくので、損切りでいえば希望や欲望をなくして損切りすることができ、利確に関してもこのリワードで十分であると感じることができます。
フラストレーション
相場が自分の思っている方とは違う方向に行くと苛立ちを感じ、無駄にエントリーして自分が考えるトレードができなくなってしまいます。
それを防ぐ為にあらかじめ、予想外を予想することが大事です。相場の世界にいるのであれば常に損失は発生するものであり、それ自体を想定し、資金管理ができていればこれは大した問題ではありません。
ストップロスを入れることで損失を制限することができるのでそれを有効に使いましょう。
退屈
相場が動かなかったり、あまり利益が得られなかったりすることでマーケットに退屈しているときに、適当にエントリーして損失を出してしまい、さらにその損失を取り戻そうとしてさらに損失が拡大してしまい取り返しのつかない状況になってしまいます。
刺激を欲する欲求に関して男性の方が女性よりも15%ほど刺激を求める欲求が強いので男性は特に注意が必要です。
相場が退屈な時は、次や翌日のトレードの戦略を考えたり、相場から離れて他のことをしたり、して退屈を凌いで無駄なエントリーを避けることが重要です。
資金管理をやろうとしてもできない場合

前述した資金管理をできる人は問題ありませんが、「資金管理をやることなんて分かっている!けどそれができない、、」という方もいると思います。
相場の経験が長く、失敗し続けた人ほど、その経験が神経に刷り込まれていて、潜在意識が損失を取り返そうとして無駄なエントリーをしたり、ナンピンをしたり、させています。
もはやこれは無意識でやってしまっているのでその無意識を変えなければなりません。その無意識を変える方法としてコンフォートゾーンを抜け出すのが一番良いのかなと思っています。鏡の前で自分に話かけて自己暗示をかけたりしましたが、私個人としてはあまり効果がなかったです。
正直、無意識を変えようと継続させるのはかなり辛いです。
コンフォートゾーンを抜け出す
資金管理ができない人は基本的に損切りができないことに問題があり、損切りという痛みを感じたくないからできないと思います。なので、損切りを何回も経験して痛みを知り、それに向き合うのが一番の近道です。
具体的にどうするかというと、エントリーできそうな所が来れば、まず初めに損切りを考えて、その上でエントリーした後に損切りを入れます。その後に利確の指値を入れます。
その後は見るだけで何もしない!
パソコンを閉じて相場を見ないのもありですし、ゲームをするのもありです。重要なのは損切りの指値を移動させないことです。
そして損切りができたら自分にご褒美をあげてください。お菓子でも良いですし、損切りと書いた紙を破ることでも良いですし、手帳のタスクに損切りと書いてそれをペンでぐちゃぐちゃに消すことでも良いです。
そうすれば損切りへの意識が変わっていきます。
これをひたすら繰り返すだけで行動が変わるのでそれが習慣となり無意識に資金管理ができるようになります。
アメリカを代表する心理学者・哲学者のウィリアム・ジェームズさんの有名な言葉です。
「心が変われば、行動が変わる。」
「行動が変われば、習慣が変わる。」
「習慣が変われば、人格が変わる。」
「人格が変われば、運命が変わる。」
トレードで成功したいのであれば継続することが大切だと思います。
逆に自分には無理だと思えば、トレードを諦めるのも良い選択だと思います。
それでもできない場合
便利なことにツールがあります。これを使って損切りができなければ、もう諦めるしかありません (笑)。使い方などは下記の記事をご確認ください。
【無料】自動損切り利確ツール
それでもできない場合はMT4とMT5版の自動で損切りと利確を入れるツールを使ってください。
Take Profit と Stop Loss を0に設定すると指値が入らないようにできます。
エントリー時に自動で損切りと利確を入れるツールのダウンロード記事はこちら
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リスク割合から自動でロットを計算し、損切りも利確も入れられる注文発注ツールです。
詳しい使い方などはこちらの記事をご覧ください。
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